ガラスビンなど透明なものは描くのが一番好きなモチーフです。
特にアンティークのビンはゆがみや気泡があり、今のビンにはない味があります。
ガラスに当たった光は表面で反射される光(反射光)と中に入っていく光(透過光)に分かれます。また透過光はガラスの表面で方向を変えて中に入っていきます(屈折)。
さらに透過光はガラスから出る時にも、外に出る光(透過光)とガラスの内側に反射される光(反射光)に分かれます。
このような反射と透過が繰り返し行われるため、ガラスなどの透明な物質は不透明な物質よりも見え方が複雑となり、とらえどころがなく描くのがむずかしくなります。
しかし、目に届く光だけに着目すれば3種類にまとめることができます。この3種類の光を理解すればうまく描くことができます。
1.表面反射光
表面反射光は透明な物質の表面で反射された光のことをいいます。
表面反射光は鏡面の金属と同じようにあらゆる環境が写りこんでいます。しかし弱い表面反射光は透過光や内面反射光に負けるため見えにくくなっています。それで屋外なら太陽光、屋外なら照明の光源などの強い環境光だけが写り込んだように見えます。
2.透過光
透過光は物体の置かれた環境が透過して見えている光のことをいいます。つまり不透明な物質では届かない、物質の向こう側の環境から届いた光のことです。
光は密度の違う物質を通過するとき、その境界で屈折するため、屈折した環境を描く必要があります。物体の形状が凸レンズ状や凹レンズ状になっていると、向こう側の環境が拡大されたり、縮小されたりして見えます。
透明な物質を描くときは、ほとんどがこの透過光を描くことになります。
3.内面反射光
内面反射光は透明な物体の内部に入ってきた光が物体を出ようとした時に、光の角度が浅く内側の境界面で反射された光のことをいいます。
ガラスのコップの底が光って見えることがあるのは、上からの光源の光がコップの底に反射されて目に届くためです。
[...] 6.表面反射光は別レイヤーにしてレイヤーマスクで不透明度を調整しながら描きます。 そうするとリアルに描けます。 [...]
[...] 色つきのビンの場合、内面反射光は一度ガラスの中を通過するのでガラスの色に染まります。 かなり彩度の高い色で描くと光った感じが表現できます。 [...]
[...] 3.描き始め2時間くらいです。 色つきのビンはガラスが厚くなった部分が暗くなります。反対に光源が写り込んでいるハイライト(表面反射光)が明るくなるので、コントラストを強く描きます。 [...]