鏡面金属の描き方-2

2009年12月1日(火)AM12:02

前回の続きです。

モチーフの置かれた場所にもよりますが、通常環境には光源(非常に明るい箇所)から光の届かない影(非常に暗い箇所)まで存在します。
曲面の鏡面金属では、それらの環境が狭い範囲に写りこむためコントラストが非常に高くなります

ソケットレンチ

ソケットレンチ

描くときにはモチーフの中に写り込んでいる環境の一番明るい箇所である光源を探します。晴れているときには窓が明るく写り込みます。また照明器具も一番明るくなります。

窓が大きく写り込んでいる

窓が大きく写り込んでいる

モチーフの形状が急に曲がっているところには光源が写りこみやすくなります。特に曲がっているパイプやエッジの部分では顕著に現れます。
それは形状が急に曲がっているところでは写りこむ環境の範囲がひろくなるため、光源が写りこむ確立が高くなるためです。

窓と照明が写り込んでいる

エッジの所にも光源が写り込んでいる

画面全体の中で光源のハイライトが占める面積は、かなり少ないですがモチーフをよく観察して描くと、鏡面の金属の質感が表現できます。

光源の明るさは通常の物体が反射する光よりも桁違いに明るいので(使用している画材にもよりますが)紙の白色や絵具の白色で表現します。
僕の場合、一番の白は最後の仕上げのために取っておくので、ほとんど白に近い非常に明るい色で描きます。

小さな光源のハイライト

小さなハイライト

次に一番暗い箇所を探します。光が届かない家具の影や廊下の影、黒い服や自分の髪の毛がなどが暗くなります。
このとき絵具の真っ黒を使うときつくなりすぎるので、少し他の色を混ぜたり、補色同士を混ぜて黒に近い色で表現する方が画面がしっくりときます。

鏡面金属を描くときは意識してコントラストを高くしてみてください。そうするだけで以外と簡単に金属の質感が表現できます。

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