光沢があるツルツルした質感や、光沢が少ないマットな質感の描き分けは、その見え方の原理が分かればすぐにできるようになります。
今回はその原理について解説します。
■光の反射の仕方
物体が光を反射するときには大別すると正反射光と拡散反射光の2種類の反射の仕方があります。
正反射光とは鏡面など表面が平滑な場合、入ってきた光が一定の方向にそのまま反射される光のことをいいます。
また拡散反射光とはコンクリートの壁など表面がざらざらしている場合、入ってきた光があらゆる方向に反射される光のことをいいます。
物体表面の光沢度合いによって正反射光と拡散反射光の2つの反射の割合に違いがあります。その割合の違いによって人間は光沢を見分けています。
■光沢のある質感
表面がつるつるして光沢がある物体では入ってきた光の多くが正反射光として反射され、一部が拡散反射光として反射されます。
その結果、正反射光が強く拡散反射光が弱くなるためその差が大きくなり、観察者が物体を見たときにコントラストが強く見えます。
また正反射光は一定方向に反射されるため光源がはっきりと写って見えます。
■光沢が少ない質感
表面が微細な凹凸がある物体では、入ってきた光が正反射光と拡散反射光に分散して反射されます。
その結果、正反射光と拡散反射光の差が少なくなり、観察者が物体を見たときにコントラストが弱く見えます。
また拡散反射光はあらゆる方向に反射されるため光源はぼんやりとしか写りません。