光沢の描き分け-2

2010年3月20日(土)PM4:45

前回は光沢の違いでなぜ見え方が変わってくるかの原理的な説明でしたが、今回は全光沢半光沢無光沢を描き分ける方法の解説です。

光沢の描き分け

光沢の描き分け

1.物体の色は拡散反射光で判断します
全光沢の場合は
正反射光 > 拡散反射光
なので、物体の色は少し暗めに見えます。
また、無光沢の場合は
正反射光 < 拡散反射光
なので、物体の色は少し明るめに見えます。

そこでベースの色は、半光沢の色を基準に考えると光沢は少し暗め無光沢は少し明るめにします。
(解説では少し極端に表現してあります。)

ベースの色を決める

ベースの色を決める

2.ベースの色を塗ります。

ベース色を塗る

ベース色を塗る

3.左上手前に光源があると仮定しているので、上面は各ベース色より少し明るく塗ります。

上面を塗る

上面を塗る

4.後で正反射光を描くので、始めに拡散反射光を意識して描きます。
光源に近い側が明るくなるので、左側面を明るく、右側面を暗くなるように塗ります。
全光沢の場合、多くの光が正反射光で反射され拡散反射光にまわる光が少なくなるので、それほど明暗差はありません。
反対に無光沢の場合は、拡散反射光にまわる光が多く、拡散反射光内での明暗差があります。

明暗を描く

明暗を描く

5.次に正反射光を描きます。ここが光沢の描き分けの最大のポイントになります。
全光沢の場合はハッキリとすごく明るく幅の狭いハイライト(光源の映り込み)を描きます。
半光沢の場合は中心部分は明るく端の方はぼんやりと幅広めに描きます。
無光沢の場合はぼんやりと幅広く描きます。(拡散反射光とゆるやかに変化するので、どこがハイライトかが分かりにくいですが。)

ハイライトを描く

ハイライトを描く

6.次にハイライト以外の映り込みを描きます。
全光沢の場合は右隣の部分円錐がハッキリと写り込みます。
半光沢の場合はぼんやりと写り込みます。
無光沢の場合は映り込みがありません。

映り込みを描く

映り込みを描く

7.完成です。

完成

完成

今回のイラストはPhotoshopではなく、Corel® 社のPainter Sketch Padを使って描きました。
電子スケッチブックというコンセプトで、通常のアプリケーションはファイルを保存する必要がありますが、Sketch Padは自動的に保存してくれます。また、新しい絵を描くときは新しいファイルを作らず、新しいページを追加します。
作品を作るというよりもアイディアを沢山描くときに便利です。落書き帳として使っています。

ちょっと違いますがApple社が昔々作ったHyperCardを思い出します。

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