描き方の紹介3-透明なガラスビン

2010年8月17日(火)AM10:41

透明なガラスビンの描き方の紹介です。

ふた付き透明ビン

ふた付き透明ビン

アンティークのキャップつき薬ビンです。すり合わせ部分が白濁していて透明との質感の違いが描きたい気持ちををそそります。

モチーフ

モチーフ

1.背景はモチーフよりも前に出てこないように彩度をおさえたグレイッシュな色を塗ります。
ただグレイに塗るだけでは単調で弱くなりすぎます。そこでモチーフのビンとのバランスを考え、いろんな色相の色を置いておきます。
いろんな色を塗っても明度を合わせておくと、明度調和が取れているので画面が破綻することはありません。

toumei_cap_bin_00

2.新規レイヤーにモチーフを描きます。描き始めの30分くらいです。
ディテールよりも全体の明度のトーンを描きます。目を細めてボンヤリと見える状態でモチーフを観察すれば、ディテールにとらわれずに全体を描くことができます。
ブラシの不透明度は90~100%で描きます。そうしないと後で背景に手を加えたときに透けて見えてしまいます。

toumei_cap_bin_01

3.描き始めの2時間くらいです。
この段階でだいたいのガラスの質感が出ていればOKです。
逆にいうとこの段階でガラスの感じが出ていなければ、いくら描き進んでも硬質で透明な質感は出てきません。

toumei_cap_bin_02

4.ある程度描けたらパスツールなどを使ってパースをチェックします。

toumei_cap_bin_03

5.ディーテールを描き進めます。

toumei_cap_bin_04

6.表面反射光別レイヤーにしてレイヤーマスクで不透明度を調整しながら描きます
そうするとリアルに描けます。

toumei_cap_bin_05

7.絵とモチーフを見比べながら描くことが大切です。

motif_and_patinting

ある程度描き込むと絵とモチーフを比較してどこがどう違うのかを見つけ、そこを修正していきます。
それを繰り返していくと知らず知らずのうちに完成に近づいていきます。
モチーフをよく観察すると今まで見えてなかったものが見えてきます。そうすると次から次へと見えてきてどんどん描けるようになります。
つまり見えないと描けません。見えると描けます。どこまで自分の認識する能力があるかで決まります。

toumei_cap_bin_06

8.ビンがほぼ完成しました。

toumei_cap_bin_07

9.影をつけます。
本当は最初の段階から影をつけながら描いた方がいいんですが・・・。

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10.僕の場合、背景に細かい模様を描きます。
モチーフをかなり描き込むので背景よりモチーフが強くなりがちです。そうするとモチーフが背景から浮いた感じがしてしまう(逆に言うと背景が沈みすぎる)ので、背景を少し強くするためです。
模様の描き方はこちらで紹介しています。

toumei_cap_bin_091

いつも3,500×5,000pixelで描いています。ピクセル等倍だとこれくらいの描き込みです。

toumei_cap_bin_10

後は試し刷りと色調補正を何度か繰り返して、完成です。

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